住まいの中で使われているカギを全て交換するのは相当大変

住まいの中で使われているカギを全て交換するのは相当大変

 時間が戻ってくれたらいいのにと思うことが、人生には何度かある。あの日あの時あの一瞬をやり直せたら、今こんなに後悔することなんてなかったはずだ。今、まさにそれを思う。あのときほんの10分前に時間が戻ってくれたなら…。

 私はかなり慎重派な性格であるせいか、あまりものを無くさない。酔っ払って楽しくなってもどこかにカバンを置き忘れたり、財布を出してそのまま忘れたり…なんてことも一度もなかった。そんな私が、先日駅のトイレを利用した際、あろうことかフックにカバンをかけたことを忘れてそのまま外に出てしまったのだった。友人としばらく歩いていると、急に身が軽いことに気付き、頭の先からつま先までが一気に冷たくなった。慌ててトイレに戻ったものの、すでに時遅し、カバンは消えていたのだった…。

 カバンを無くすというのはかなりダメージが大きいことをこのとき初めて知った。下手したら、失恋するよりも痛いかもしれない。財布に入っていた現金は数千円だったけれども、財布自体が当時付き合っていた彼氏からもらった大事なものだったし、カード類の停止・再発行手続きだけでも大変な労力だ。幸いスマホはコートのポケットに入れておいたので無事だったが、何よりダメージが大きかったのがカギだった。

私は一つのキーホルダーに、自宅の表玄関のカギ、勝手口のカギ、我が家のファミリーカーのカギ、夫の乗っている軽自動車のカギ、実家のマンションのカギ、実家の車のカギ、職場のロッカーのカギを全ていっしょくたにしてジャラジャラとつけていたのだった。それらも全て失ってしまったし、財布の中に個人情報も入っていたので、それらすべてのカギを交換する羽目になってしまった。夫には怒られるし、実家や職場には迷惑をかけるしで、死にたくなるほど情けない気持ちになった。住まいの中で使われているカギを全て交換するのは相当大変なことなのだと痛感したのだった。